対人関係を改善する2:6:2の法則を理解する

人間関係に疲れたと感じることはありませんか。

仕事場には、あなたの顔を見るといつも口うるさく小言を言ってくる先輩がいます。どんなに親切にしても、自分の悪口を言う同僚がいたりします。取引先にも、勧めた案件を考えておくといっていたのに「忘れていた」と取り合ってくれない担当者がいます。

どうすれば、相手が自分を好きになってくれるのか、少なくとも敵対視されないために何ができるのかと悩んでしまいます。

よくビジネス本やメンタルを扱った本には、「受け入れる」とか「気にしないようにする」「受け流す」などと書かれていますが、しかしどのようにすればそうできるのかが分からないので悩んでいるのです。

この262の法則はその悩みを解決するのに役立つかもしれません。

262の法則を理解する前に、前提となる80:20の法則を理解しておきましょう。

これはパレードの法則とも呼ばれています。イタリアの経済学者パレード氏が発見したもので、そう呼ばれています。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという2:8の数字のばらつきのことです。

会社の売り上げの8割は2割のお得意様が買ってくださるから。

世界中の富の8割はわずか2割の人が所有している。

聞いたことがあるかもしれません。有名な「ユダヤの商法」の中でも、78:22の法則として紹介されています。海と陸の割合は78:22。体の中の水分量は78%。空気中の酸素と窒素の割合は78:22。揚げたらきりがありませんが、経済だけではなく社会の現象、自然界の比率にいたるまで、この法則は当てはまります。いわばこの法則(ざっくりと80:20)は自然界の摂理だといってもいいでしょう。

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面白い実験があります。

アリが行列を作って食べ物を運んでいるのを見たことがあるかもしれません。全体のアリが働いているように見えますが、実は一生懸命運んでいるのは全体の中の20%に過ぎません。残りの80%は実は働いていないのです。

では、よく働いているアリだけを選んで、食べものを運ばせようとすると、やはり運んでいるのは20%のアリで80%は働きません。

では、働いていないアリだけにして食べ物を与えるとどうなるか。実にその中の20%のアリが働きだすということです。

同じことは人間社会にも当てはまります。どんなに優秀な生徒を集めている進学校でも落ちこぼれがいるものです。また、エリート集団である官僚たちの中にもとびぬけているのは少数で、逆に 頭はいいのになぜか間違った判断をする使えない人というのもいたりします。人間社会、組織、対人関係にもこの80:20の法則は当てはまります。

この考え方から派生したのが262の法則です。

80:20の法則の80の部分をもう少し分けると、60と20になるということです。

学校の例でいうと、よくできる子は20%、成績の悪い子は20%、あとの60%は平均的な普通の子ということです。

この比率はいろんなことに見られます。例えば人気のある番組がどれほど視聴率を取ったかと話題になることがありますが、20%を取れば大成功、人気番組です。残りの80%の国民は見ていないのにです。そして、80%の中には必ず批判的な人が一定割合でいるものです。

「半沢なんか見ねーよ、あんな銀行員いるわけねーだろ」と、声高に言う人っていましたよね。

YouTubeの動画でも、いい動画だなと思い評価のところを見ると、good評価が多い中でも必ずといっていいほどbadをつける人がいます。これには必ずしも262の法則は当てはまらないように見えますが、視聴回数に比べて評価してくれる人はそれほど多くないということは理解できると思います。また、多くの方がいいねと思うものでも、逆の評価をする人もいるのです。時々いますよね、いつも人の意見を否定してくる人って。

さて、この262の法則ですが、人間関係にも当てはまります。全体の中で、自分に好意的なのは2割、普通の感覚で付き合うのが6割、自分を評価しない人や嫌う人が2割ということです。

ということは、仕事場や学校に嫌な奴がいるのは仕方がないんです。だって、どんなに頑張っても、その人たちは自分を好きになってはくれないからです。自然の摂理なので仕方がありません。それで、自分を嫌う人たちから好かれたい、嫌いにならないように気を付けたいと思っても無駄なのです。

もし好かれるための努力をしたいのなら、普通の感覚で付き合ってくれる6割の人に向けるべきです。

そして、自分に好意的な人たちを大切にします。考えてみてください。最初に取り上げたように、会社の売り上げ全体の8割は2割のお得意様からのものであれば、あなたの人間関係における幸福感も、自分を好意的に見てくれる2割の人から得られるはずです。嫌ってくる2割は切り捨てていいんです。こう考えると、この人たちに嫌われないようにしようという無駄な努力をしてストレスになることもありません。受け入れるとか、諦めるとかではなく、切り捨てるなのです。ポジティブな行動と言えます。

もしもっと対人関係を良くして幸福感を増し加えたいと思うなら、普通の6割の人とどう付き合うかを考えればよいのです。アリの実験でもわかることですが、働かないアリだけにして働かせようとすると2割が働きだしたということです。つまり、あなたの会社の普通感覚の6割の人の中にも、どちらかというとあなたに好意的という一定層がいるのです。そういう人を見極めて親しくすればいいのです。この6割は日和見的なので、「みんながするなら私も」と思っています。

アイドルなどの人気商売をする人たちは、できるだけ多くの人に好かれたいと思っているように見えるのかもしれませんが、実は2割のファンを大切にしています。そして、”好きになってアピール”をするのは6割の人に対してです。残り2割は無視です。

そうはいっても、私たちは会社や学校で誰かを無視したりすることはできないかもしれませんが、精神的に受け流すことができるができれば、ストレスはかなり減らせます。自然の摂理なので、この人たちは、どんなに悩んでも努力しても、何も変化しないのです。そう考えるとすっきりします。

まとめ
262の法則は自然の摂理である
・2割は自分に好意的
・6割は普通
・2割は何をしても嫌う

自分に好意的な2割の人を大切にして、普通の6割の人に親切にすると幸福感を増し加えられる。
残り2割は受け流す

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