最近では、毎年のように大雨や短時間に降る強い雨の頻度が増加しています。それらによる風水土砂災害のリスクも高まっています。先日も熱海で大規模な土砂崩落災害が発生しました。雨による災害は河川のそばの地域だけではないことを痛感します、
昔、洪水の多い地域では、水害から集落を守るため、「輪中」という堤防が造られました。これは川よりも低い土地の周りを盛土で囲んだものです。

興味深いのは、輪中は水を遮断するのではなく、水の行き場を作ることで、川を氾濫させないという発想に基づくもので、自然との共生を目指す人の知恵によるものです。
また、平野部に住む民家の軒下に水害時に使用する船を備えたり、高い石垣の上に造られた水屋と呼ばれる建物に、食品や大切な家財道具を保管していました。
そこには水が引くまで生活できる部屋もあり、洪水に対する備えができていたのです。
昔から人は水を得るために川のそばに暮らしてきました。しかし、川は時として氾濫し人の生活や命を奪ってきたのも事実です。だからこそ、治水が国の政策として優先されてきたのです。
自然は人を癒してくれますが、反対に、人の暮らしを破壊することもあります。日頃から、非常時の備えをしておくことが大切です。
先人の知恵に学び、非常持ち出し袋を備え、家族が最低3日間は生き延びられる食料や水を用意しておくことは大切なことです。また、緊急時にどこに避難所があるのか、携帯電話が使えなくなることも想定して、どのように連絡を取り合うのかなどを話し合っておくことも重要です。災害に対する心構えと行動の準備を万全にしましょう。
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