感情が表情を作るのではない、表情が感情を作るのです。アドラー心理学では、このように教えています。
これまでは、悲しく感じるので悲しい顔になる、嬉しいから笑顔になると考えられてきました。実際、経験からもそれが当たり前のように感じていました。そしてこれは間違っていません。しかし、この一方向からだけしか感情も表情も動かないというわけではなく、逆方向からも作用することも確かです。つまり、辛い時に無理にでも笑顔になると、気分が落ち着いてきて気持ちが楽になります。また、楽しい雰囲気なのに無理にしかめっ面にすると、楽しさも嬉しい感情も湧いてきません。
少し前に、言葉を変えれば生活や気持ちが変わるということを書きました。実は、この感情と表情の関係はこのことと関連があります。病気をしたり、どこかが痛い時に、痛い痛い辛い辛いと言い続けると余計に痛くも辛くもなります。でも同じ状況で、ニコニコして、昨日よりは痛くない、今日は気持ちいいニコニコってしていれば、痛みは和らぎ幸せな気分になります。
そして、仕草、ポーズも大きく作用します。
例えば、手のひらを握っているのではなく開いて上に向けると、明るい気分になります。顔を下に向けるのでなく上の方を、出来れば空を見上げるようにして、ああ、きれいだなぁと思いながら、今日は昨日より痛くない、気分がいい、とつぶやけば本当に痛みが消えます。本当です!言葉とポーズはそれほど感情に影響します。
腰が痛い、背中が痛い、膝が痛い、咳が出て苦しい、いろいろあるかもしれません。そんな時でも頑張って、騙されたと思ってこのポーズをしてみてください。必ず楽になります。ただなんだから、やらないと損です!
ついでに言うと、何かで緊張している時は、足を開いて立ち、腰に手を当てて胸を張り、スーパーマンやウルトラマンのポーズを1分くらいとってみてください。加えて、口を大きく横に広げてニッと笑ってください。だんだん自信が出てきます。人前に出るとき、前もってこのポーズをとると落ち着いて自信をもって行動できます。
アメリカではコメディアンやマジシャンなどのエンターテイナーは、緊張を解消するためによくこのポーズをとるそうです。無理に笑顔を作るためにペンを横にして噛むことで口を横に広げるそうです。この顔が、笑顔に近い形になるので、笑顔と同じように嬉しい気分になるそうです!
感情が表情を作るのと同じように、表情を変えると感情が変わります。ポーズを変えると自信が湧いてきます。

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